日曜歴史館(8月7日)のご案内

逝きにし友あり わが心衝く―傷兵文芸に見る戦争の哀しみ―

当館 石井 裕

 平成28年8月7日(日)14:00~15:30 当館・講堂

戦後70年が過ぎました。先の大戦では,約240万に及ぶ戦歿者に加え,傷痍軍人,そしてその遺家族など,戦争の哀しみを抱えた膨大な数の日本人を生み出しました。戦時下の日本は戦争の悲哀に満ちており,戦意高揚に邁進したと考えられがちなマスメディアでも,実は彼らの絶望や喪失感などが驚くほど率直に伝えられていました。

「戦場(いくさば)で散れず病の帰り路(じ)に 逝(ゆ)きにし友ありわが心衝(つ)く」,「戦盲(せんもう)の兵が菊を近くよせて 何色なりやと聞かす悲しさ」(『傷痍軍人聖戦歌集』人文書院,1939)。「靖国で会おう」と誓い合った亡友への忸怩(じくじ)たる思い,失明軍人のふとした仕草が伝える大切な日常の喪失・・・。彼らの詠んだ短歌や俳句は,その秀逸な写実性ゆえに,現代を生きる我々の胸にも切々と戦争の現実を訴えかけてきます。

終戦から71年目の夏。本講座では,戦時下の日本で編まれた数多くの傷兵文芸を手がかりに,戦争に向き合った当時の日本人の心象風景に迫っていきたいと思います。

 

定員:200名(当日9:30より整理券配布) 

お気軽にご参加下さい